伝統産業と歴史的町並みが残る西陣地区に新築した、カフェ、建築設計事務所、住宅が同居する職住一体型の町家。西陣織は日本の織物技術の発展に貢献してきましたが、1970年台をピークに生産が減少します。西陣地区の工場や織屋建町家の跡地には高層の集合住宅やビルが建設され、無秩序な建物が混在する町に変わっていきました。2001年、商工混合の町並みを形成してきた同地区の景観を維持するため、京都市は景観条例を制定し、以降は新築に厳しいルールが課されるようになりました。この町家の敷地は、幅5m奥行30mの「うなぎの寝床」で、織物生産者が健在する浄福寺通りに面しています。法規に則った建築で歴史的な街並みにとけ込むのはもちろんのこと、表通りに面する1階をカフェとし老若男女を迎え入れることで、町の賑わいに参加しています。西陣の文化発信地となって持続可能な地域の発展に貢献したいと考えています。