滋賀県の田園地帯に社会福祉法人檸檬会が新設した、大規模こども園。地域材である「びわ湖材」を建物内外に使用した、木造平屋建ての園舎です。建築基準法では一定規模を超える児童福祉施設に準耐火構造を求めるため、木材を現して使用するには制限がかかります。本こども園は、外壁を耐火構造とすることで制度や条件をクリアし、木の質感と地域性を活かした空間を実現しました。
軽やかな家型の木架構は、建物を横断し、屋内広場と保育室、ホールを連続させ、大小様々なスケールを生み出します。明るく無柱の屋内広場では子どもが元気に走り回り、給食、セレモニー、ドッジボールや英語教室など多様な活動の受け皿にもなります。屋外には運動用の広場、野菜や花を育てる広場を設けました。
びわこ材の木質空間で、子どもの気分や興味に応じて活動や居場所を選べる環境をつくり、子どもの安心感や創造力に寄与する空間をめざしました。