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高山町家旅館 あおの花 ゆきの花 いち花

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岐阜県高山駅と重要伝統的建造物群保存地区をつなぐ駅前通りにある、新築2棟、改修1棟の宿泊施設。伝建地区では建築や景観の保存が進みますが、その外側では必ずしも同様の配慮がなされていません。飛騨高山の玄関口に降り立つ人々を明るく迎え入れる、伝建地区の景観の連なりとなる建築をつくりたいと考えました。
隣り合わせで建つ新築2 棟「あおの花 」「ゆきの花」は、左右対称のプランで一体感を持つデザインです。各町家の中心には、大きな天窓から自然光が差し込む光庭をつくり、伝統的な高山の民家にならって木造の柱梁を露出させました。光庭の壁一面には、高山が輩出した日本を代表する左官職人・挾土秀平氏による高さ9m の左官壁を施しています。
改修棟「いち花」は、100年以上にわたり駅前通りの景観を成してきた町家です。内部には町家らしい土間空間を残し、外壁には「あおの花 」「ゆきの花」と同様に、挾土秀平氏による左官アートを施しています。通常は町家の2階に設けられる「虫小窓」をあえて1階の外壁に取り入れました。高山の伝統や自然を背負いながら未来を見据える挾土秀平氏との協働により、これから先の高山の新たな景観になる、古くて新しい建築が誕生しました。

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所在地
岐阜県高山市
用途
旅館
左官
挾土秀平
構造
木造 2階
延床面積
新築棟各103.26㎡ 改修棟 87.05㎡
竣工
2025.03
写真
中村絵