KINO ARCHITECTS / キノアーキテクト

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鈴木家

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東京世田谷にあるレストラン併設個人住宅。当初は人気イタリア料理店を営む女性シェフからの実家の建替依頼でしたが、設計を進めるうちにレストラン兼自邸をつくることに落ち着きました。住宅街にある24坪の敷地でめざしたのは、開放感を確保すること、レストラン客に非日常感を与えることでした。
1階は庭を含め敷地を目一杯使ったレストラン、2・3階は個室と水回りです。天空率を活用し、2・3階のヴォリュームを隣地からセットバックさせ中央に配置し、周囲の住宅と距離をとりながらレストランの上に2層のプライベート空間が浮かぶようにしました。小さなレストランですが、庭に向かって大きく放った窓、空へ開いたトップライトによって開放感を味わえます。レストランの天井、言い換えると2層のヴォリュームの底は船底のような曲面にして、外壁からその船底までを同素材のガルバリウム鋼板で仕上げました。
上階のプライベート空間の存在は、道路からは至ってシンプルな直方体として、庭やレストランからはモノリシックなヴォリュームとして知覚されるのみです。上階と下階の仕事空間を往来するシェフのルーティーンに、客という第三者が絶え間なく加わり、庭の緑は季節を映し、日常は変化に富んだ表情をみせます。建築は動きませんが、シェフ、客、自然がくるくると動き回る、まるで小さな街のような建築ができあがりました。

所在地
東京都世田谷区
用途
店舗併用住宅
構造
木造一部S造
敷地面積
79.97㎡
建築面積
39.33㎡
延床面積
91.75㎡
竣工
2017.03
施工
千広建設
写真
中村絵、新建築社