奈良県斑鳩町に社会福祉法人檸檬会が新設したこども園。敷地は、世界最古の木造建築である法隆寺から近く、住宅や田畑、寺院が広がる静かな環境です。法隆寺といえば、木柱の回廊が有名ですが、本こども園にも建物内外に回廊を設け、自由な回遊性を促しました。
園舎中央の列柱に囲まれる多目的ホール「うちの広場」は、ボール遊び、セレモニー、給食など多様途に使われる遊び空間とし、その周囲の回廊を展示や読書空間としました。磨き丸太には子どもの作品が飾られ、個性豊かなギャラリーとなっています。園庭「そとの広場」の手前にある「そとの回廊」は、こども園の玄関口であると同時に縁側のようにも使われます。内外に計画した二重回廊で園全体をフラットにつなぎ、子どもの自由な遊びの発想を促す環境、子どもの生活にゆとりと安心を与える落ち着いた空間をつくりました。